季節走り 心はいつまでも (モバマス)(輿水幸子)
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◆MhRo2YnWE.V/
[sage saga]
2016/09/28(水) 12:46:48.77 ID:MuKRWnx20
「そろそろ、いいんじゃないですか」
「何がだよ」
俺は笑ってそう言い、幸子の言葉を流した。
空は青い。ずいぶんと涼しくなった9月の風が、彼女の香りを運ぶ。
俺の向かいに座った幸子は、無表情のまま少しだけ目を細めて俺のほうを見た。
怒ったかな。
「べつに、なんでもありません」
そう言って、彼女はテーブルに広げた参考書とノートへと目を戻す。
俺はそんな彼女を見ている。
輿水幸子、17歳、か。ずいぶんと背が伸びた。顔立ちも変わった、んだろうな。ずっと一緒にいると、どう変わっていくか忘れそうになる。
俺は喫茶店のテラス席で、彼女の勉強につきあっていた。……と言っても、中学生の頃とは違う。
さすがに大学受験の問題となれば、スラスラと教えるとはいかないので、実質座っているだけだ。
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