71:名無しNIPPER[saga]
2016/09/21(水) 01:36:24.08 ID:AhSgyJvx0
カーン!
アンドレイ「よし完成だ。握ってみてくれ」
コブラ「お、いいタイミングだな」
ギュッ
コブラ「んー?」
アンドレイ「どうだい。良いだろう」
コブラ「あー…打ってもらってこう言うのもなんだが、どこが変わったのかイマイチ分からないんだな〜コレが」
アンドレイ「見た目も重さも変わらんさ。変わったのは武器の質だぜ」コロッ…
アンドレイは足元に落ちていた石ころを拾うと
コブラが持っている特大剣の刃にくっ付け、石ころを軽く指で弾いた。
パキン
コブラ「!」
すると石ころは刃に沿って綺麗に割れ、コブラの足元に転がった。
コブラ「なるほどねぇ。コイツは物騒だ」
アンドレイ「楔石を使った鍛えは、ちぃとばかし特殊でな。重くもせず軽くもせず武器の性質だけを高めていくもんなんだ」
アンドレイ「メイスはより硬く、剣はより鋭く。打ち手と使う種火によっちゃあ、炎や雷を潜ませる事だって出来るぜ」
コブラ「炎や雷か……その楔石ってのは妖精さんなのかい?」
アンドレイ「妖精?だっはっはっ!そんなのいる訳ねえじゃねえか!ワッハッハッハ!」
コブラ「やれやれガーゴイルはいて妖精はいないのか…さっぱり読めないなぁ」
レディ「帰ったら絵本でも買ってみましょう?少しは読めるようになるかもしれないわ」
コブラ「そうしてくれ。この分じゃジャックと豆の木は役に立ちそうにないがね…」
アンドレイ「それでだ、コイツを持ってどこに行くんだ?やっぱり鐘を鳴らしにかい?」
コブラ「当分はそうするつもりさ。行き詰まったら、その時は愚痴でもたれに来るから、酒でも用意しててくれ」
アンドレイ「不死は酒なんて飲めねえよ。ワハハハッ」
コブラ「そいつはお気の毒だな」
コブラとレディは、アンドレイのいる鍛冶場から出て教会へと再び向かった。
アンドレイはいつものように、また作りかけの武器を打ち始める。
頭の中には二人の道中への不安があったが、槌を振るうたびにその不安も薄れ、剣を水桶に漬ける頃には、いつものようなアンドレイに戻っていた。
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