【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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540:名無しNIPPER[saga]
2018/11/16(金) 07:41:25.78 ID:KNjYn5HK0
グウィンドリンの号令の下、二体の黄金騎士は行動を開始した。
オーンスタインはグウィンドリンを抱え、スモウは右脇に2人の不死を、左脇に2人の異邦人を抱えて…


ズドドォーーン!!!

ビアトリス「うっ」

ジークマイヤー「うぷ!」


それぞれ二階から一階へと飛び降りた。


レディ「その兜の中で吐いたら地獄よ?」

ジークマイヤー「分かってる…うっぷ」


オーンスタインは主君を背負い直し、右手に槍を持つ。スモウは両脇に抱えた者共を離して、両手に大鎚を持った。
意識の無いコブラはレディに抱えられている。そのレディを皆で守るのだ。


オーンスタイン「スモウ、お前が先頭を行き、道を開け」

ドズン!


オーンスタインの声を聞いたスモウは返事もせずに一団の先頭に立ち、歩を進め始めた。
そのスモウ背中から少し離れた地点に、オーンスタインは槍を構え、彼の背にいるグウィンドリンは杖に魔力を輝かせる。
オーンスタインの背後にはレディが歩き、彼女の周囲を二人の不死が警戒した。
一団はつい先程死闘を演じた大広間を行き、広間の出口まで歩いたが、スモウは突如として脚を止めた。
ローガンの倒れた大広間の中央に立ち、一団に声を投げかけた者がいたからである。



母の仮面「何かと思えば……スモウ、貴様のような愚鈍が先頭では、危機の察知に遅れが出るじゃないか」



レディ「この声…!」

ジークマイヤー「仮面の騎士…やはり戻ってきたか…」

ビアトリス「先生…」



聞き覚えのある声にコブラの仲間達は戦慄したが、オーンスタインは臆せず声を発する。



オーンスタイン「貴様らの主人はすでに逃げたぞ、雇われ。もはや褒美も得られぬ戦いに、褒美のみを求める貴様らが何をこだわる」

母の仮面「ふふふ……褒美など、手渡しで有らずとも得られるではないか。私が仕えている法官が誰で何処にいようが、そんなもの私の知ったことでは無い」

母の仮面「私が主従に想うのは誓約の内容だけだ」

オーンスタイン「!」



母の仮面「倒した者の遺骸を漁り、好きなだけ武具を剥ぎ取れる誓約……まったく素晴らしい。かつて無いほど素晴らしい話ではないか」



オーンスタイン「世迷いごとを言うな。そのような外法な約定を成す神など、アノール・ロンドが建てられて後、今日に至るまで一柱たりとも生じてはおらんわ」

グウィンドリン「………」


仮面の騎士の言葉を否定しつつも、神々は皆確信していた。
だが、法官の正体を知らぬ敵対者を前にして、暗黒神アーリマンなどという名を口に出すわけにはいかなかった。
恐らくは不死人の騎士であろう者に闇の神の存在など、お伽話の一片でさえ匂わせてはならないのだ。


母の仮面「そうか…まぁいい。神だろうが悪魔だろうが、誓約が良ければ仕える者の本性なんぞどうでもいい」

母の仮面「私の目的はコブラから全てを奪うこと…珍妙な赤い服も、小洒落たベルトも、手の中に収めた触媒も全て私の物だ」


オーンスタイン「………」


母の仮面「しかし、流石は四騎士の長。敵対者が一人では無いことを見抜くとは」


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