541:名無しNIPPER[saga]
2018/11/20(火) 20:14:12.53 ID:ainhJUb20
ササッ…
仮面の悪霊の声に笑みが含まれると、両の足先を青く光らせた者達が、大広間に舞い降りた。
苔むした石の大剣を握り、盗賊装衣に身を包んだ者。
左手にガーゴイルの斧槍を持ち、右手に短刀を持つ重装騎士。
黒い重鎧から生足と細腕を覗かせ、両手にレッサーデーモンの槍を握る者。
身の丈ほどもある大弓を担ぎ、右手に杖を持つ革鎧の軽装騎士。
いずれの者も、密やかながら異様な陽気を放っており、彼らの眼には少年の如き純粋な黒い輝きが灯っている。
恐れるものなど何も無く、広い世界に快楽を求めるその八つの瞳の焦点は、定かではない。
グウィンドリン「我を降ろせ、竜狩り。スモウのみでは手に余る」
オーンスタイン「!…しかしそれでは…」
グウィンドリン「案ずるな。ソウルを吸われたとて、我には暗月の光がある。貴公は力を振るわれよ」
オーンスタイン「………」
命を受けたオーンスタインは音もなくグウィンドリンを降ろすと、スモウの背後から抜け出て…
ジャキィン!
十字槍を中段に、敵対者たちへ向け構えた。
母の仮面「残念だよ。私の友を見抜いたというのに……なんだその諦めの悪い構えは。まるで負ける事など眼中にないようじゃないか」
オーンスタイン「たかが不死などに遅れは取らん」
母の仮面「分かってないな。取ったからこそ私達はここにいるんだ」
オーンスタイン「なに?」
シュゴォーーッ!!
革鎧の軽装騎士の杖から迸り出たソウルの槍は…
シュバァン!!
オーンスタインの槍に斬り弾かれ、二つに別れて空中に消えた。
ジークマイヤー「今の音……」
ビアトリス「ソウルの槍!先生が戻ってきたんだ!」
レディ(でも、彼だとしても一体何に向かって魔法を撃ったの…?)
グウィンドリン「違うな、あれは貴公らの同胞ではない」
ビアトリス「!?」
グウィンドリン「既に我らを知る者に、姿を隠す事も無かろうな」
グウィンドリン「退けよスモウ。皆で戦うべき敵のようだ」
主君に促されたスモウは一歩身を引き、グウィンドリンと不死達、二人の異邦人を敵対者たちの眼に晒す。
ビアトリス「そんな…まさか、さっきのソウルの槍は…」
ジークマイヤー「仮面の悪霊!?やはりまたしても……」
レディ「あれが仮面の騎士……」
母の仮面「なんと…嬉しいぞ…なんて淫麗な全身鎧だ…!」
母の仮面「やはりあの法官の誓約を受けて正解だった……私はこの出会いに感謝する!」
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