京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
1- 20
561:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2017/07/21(金) 00:38:24.10 ID:mgeuBvXV0
 確かにそれはそうだ。

 仮にこちらが完全な被害者であっても、警察沙汰になれば部にも少なからず被害が及ぶ。

 京太郎の負わされた怪我の程度はわからないが、それでも先に手を出したのが京太郎だとなれば、出場停止処分になっても何ら不思議はない。

 久のもらったプロ内定も、白紙に戻るだろう。


「…………いいわ、構わない」

「ぶ、部長?」

「そこまでしてくれる後輩を見捨てるような真似をしたら、それはもう人間じゃあないわ。
 あれだけ酷いことをした私たちを、そうまでして庇ってくれてるんだもの。助けない理由がないわ」

「自分達の業績も、全部パァにしてもか?」


 部屋に飾ってあるインハイの入賞記念トロフィーを、赤木が顎で指す。


「ええ………私は構わないわ。皆、私は今すぐに警察に行くけど、もし面倒ごとは避けたい人がいたら………」

「何言ってるんですか! とにかく今は、早く須賀君を保護してもらわないと!」

「そうじゃ赤木さん、京太郎が場所を移したというんはいつ頃の話じゃ?」

「大体2時間しないくらいだな。雀荘で一休みしてからからここまで歩いてきたもんでよ」

「2時間………移動に30分かかったとしても、もう半荘3回目に入り始めていてもおかしくない時間じゃ」

「その……ゆ、指の件が半荘1回ごとか、終わった時に最後まとめてかわからないですけど、
 あと半荘3回分……2時間と少しといったくらいですか」

「赤木さん、京太郎の行き先に心当たりは?」

「あるっちゃあるが………電話貸してくれるか?」

「え? あ、えっと………はい」


 久が数秒迷ったが、今は火急の事態なのでおとなしく赤木に渡した。


「その手の情報に詳しい知り合いに訊いてみよう。
 竜崎の孫ってことは、親は川田組………確か石川さんが、まだ相談役としていたっけな………」


 何やら呟きながら、廊下に出てどこぞへと電話を掛ける。

 そしてそのまま数分すると、部室に戻ってきた。


「竜崎の組は、東京の川田組ってとこの傘下だ。その川田組に知り合いがいるんで、今調べてもらっている。
 折り返しですぐに電話が来るはずだ」

「は、はい…………」

 久が1件増えた発信履歴の番号を眺めながら、曖昧にうなずく。

 他人に携帯を貸したら、ヤクザの組の電話番号が履歴に追加されて返されたのだ。
 
 中々経験できることではない。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
660Res/374.36 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice