京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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47:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2016/08/26(金) 20:52:41.15 ID:NDZ3YBKR0
 俺は言葉に詰まった。自分ではそんな自覚はなかったのだが、そんなに見た目で分かってしまうほど疲労が浮き彫りになっていたのだろうか。


「ええっと、それでも昨日は12時過ぎには寝てましたよ? むしろいびきがうるさいって親にたたき起こされました」


 わざとおちゃらけて、本当のことを悟られないようにする。


「本当? なら、よっぽど日中に疲れているのね…………それ、麻雀の教本?」

「あ、はい」


 俺が手に持ってる本を見て、部長が尋ねてきた。


「ちょっと見せてよ。どんな本使ってるの?」

「使ってるっていうか、最近ようやくこうやって勉強を始めたばかりなんですけど………」

「いいことじゃないの」


 『基礎から始める麻雀の打ち方』というタイトルを確認して、先輩が適当にページを開く。


「うわっ、こまっか! どんだけ読み込んでるの?」


 本のあちこちにひかれた赤線や書き込みを見て、先輩が驚愕の声を上げる。


「読み込むっていうか………とにかく気になったところを片っ端から忘れないように線を引いていったらそうなったっていうか…………」

「須賀君偉いじゃーん! 私もうかうかしてらんないわね。たまにはこういう本買って読んでみようかなぁ。でも悪待ちの本ってなかなかないのよねぇ」


 部長が笑って俺のことを褒めてくれる。
 
 だが、俺は部長の言葉に引っかかるところがあった。


「いや…………部長たちは、もうそんな低レベルなもの読まなくても大丈夫じゃないっすか?」

「そんなことないよー。私なんてまだまだ弱い弱い。勉強はいくらしたって足りるってことはないのよ」

「…………………嘘つけよ」

「え?」


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