京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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48:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2016/08/26(金) 20:54:49.87 ID:NDZ3YBKR0
 いけない。心の声が漏れてしまった。慌てて取り繕う。


「またまたぁ、謙遜しちゃって。俺はまだしも、みんなは――――」

「須賀君」


 部長が真面目な顔になって、俺の言葉を遮る。

「ごめん。私、何か気に障ること言っちゃったかな?」


「え…………いや、気に障るも、そもそも何にも――――」

「須賀君」


 もう一度、遮られる。


「ごめん、正直に言ってほしいの。部長として情けないけど、私たち、最近須賀君に本当にいろんなことを任せてばっかりじゃない? 須賀君はネト麻とかで自主練してるからいいって言うけど………。
 もし不満とかがあるなら、正直に言っちゃってほしいの」

「いや、だから――――――」

「本当に?」


 疑いの目を向けられ、俺は言葉に詰まって息をついた。

 この反応で、そうだと白状をしてしまったようなものだ。

 俺は観念して、今素直に思ったことを口にした。


「部長。部長が弱いなんて…………、冗談にしてもたちが悪いっすよ」

「冗談なんかじゃないわよ。私より、強い人なんていくらでもいるわ」

「それはプロとかを含めてですよね? 高校生だけなら、部長たちより強い人なんて全国でもほんの数人だけじゃないですか」

「まぁ…………自画自賛するわけじゃないけど、多分そうかもしれない」

「じゃあ、自分のことを弱いなんて言わないで下さいよ。今更こんな本を見て、勉強しなきゃとか」


 俺は先輩の手から本を返してもらって、ぱたぱたと目の前で仰いだ。


「それは本当のことだもの。私たちはまだまだ全然勉強不足で――――――」

「嘘つくなよっ!!」


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