京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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46:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2016/08/26(金) 20:50:08.09 ID:NDZ3YBKR0
 キーンコーンカーンコーン………


「はぁ…………」


 昼休みになると同時に、俺は麻雀の教本だけ持って、校舎の外に出た。

 相変わらず雪はそこかしこに残っているし、空模様は最悪で、冬にしては下手に気温が高い日だから今にも雪でなく雨が降りそうだ。

 でもだからこそ外には誰もいなくて、一人になりたかった俺にはありがたかった。

 比較的濡れてないベンチに腰掛けて、本を開く。

 だがここ数日でさらに強さを増した倦怠感のせいで、まるで内容が頭に入ってこなかった。

 いったん本を閉じて、深呼吸をする。


「須賀君」


 びくっ となって後ろを振り返ると、そこには部長がいた。


「あれ、どうしたんですか部長?」


 努めて明るい風を装って、俺は返事をした。


「それはこっちの台詞よ。こーんな天気の悪いときに、わざわざ外に出てへこんでる部員を見かけたら、放っておくわけにはいかないわ」

「へこんでる? 俺がですか?」

「そうよ」


 そういって部長は人差し指で、俺の瞼の周りをなぞった。


「こーんな真っ黒なくま作っちゃって。いつも何時に寝てるの?」

「え…………」


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