京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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251:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2016/09/18(日) 01:34:24.08 ID:m+tVvmfr0
「それを言うなら、わしも同じじゃけぇ」


 それまで沈黙していたまこが、久を擁護するように間に入った。


「3年は最後の大会に集中するのが仕事。本来なら先輩でありかつまだ1年時間のあるわしが、京太郎を育ててやらなけりゃならんかった。じゃが………わしも、目先の勝利に目が行き過ぎておった。


 おんしがきっと気を遣って言ってくれた、見ているだけで勉強になるっちゅう言葉で、都合よく自分の怠慢を忘れておった」

 涙に濡れた眼鏡を拭い、かけなおす。


「あ、アタシも………」


 おずおずと、卓に座ったままの優希が声を上げた。


「京太郎を犬扱いして、いっつもじゃれあうのが楽しかったから、京太郎もそうだと勝手に決めつけて………。
 いつもタコスを作ってもらった時も、偉そうにしかお礼を言ってなかったじぇ………。
 あと、人の打ち方にケチつけて、馬鹿にして本当にすまなかったじぇ………」


 いつもの快活さはどこへ行ったのか、今にも泣き出しそうな子供の表情を浮かべて、京太郎に謝罪の言葉を述べる。


「私も、須賀君に謝らないといけません。
 ずっと日ごろから、私たちが練習を増やせばその分代わりに雑務をこなしてくれていたのに、
 お礼も一言くらいしか言わないで、それが当然であるかのように思っていました。
 もし須賀君が力不足なら、放っておくのではなく、鍛えてあげなきゃいけなかったのに…………」

「みんな…………」


 各々から述べられる謝罪の言葉に、京太郎は何と言えばいいのかわからなかった。

 別に謝ってほしいから来たわけではない。
 
 ましてや、こうやって皆を泣かせたかったわけではない。

 そうだ、ここで終わってはいけない。



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