京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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252:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2016/09/18(日) 01:36:51.07 ID:m+tVvmfr0
「でも、もういいんです」

「え?」


 それまで京太郎に抱かれる形になっていた咲が、京太郎のことを見上げてきた。


「京ちゃん、まさか、麻雀部、やめ………!」

「あぁ、泣くな泣くな」


 また目に涙を浮かべた咲を見て、京太郎が慌てる。


「俺も、それで辛くって…………。
 正直、今日の帰り道で、もう麻雀も何もかもどうでもいいって、辞めようって思ってました。
 こんなつらいだけの努力なんてバカバカしい。
 一緒にいてみじめでしかないのなら、あんな連中の雑用なんて捨てて、毎日さっさと寝たいって。
 麻雀そのものをやめようとすら思ってました。でも」


 京太郎はそこで一度つばを飲み込み


「でも、ある人のおかげで、考えが変わったんです。
 辛いだけの、無駄でしかない結果に終わったっていい。止まっちゃダメなんだって。
 辛くても、叶えたい目標があるならそれに向かって、成功とか失敗とか、結果なんて気にしないで動けって。
 そうやって努力しているだけで、俺は偉いんだって、自分を褒めていいんだって言ってくれる人がいたんです。
 だから………俺、辞めません。皆と一緒に居たいです。
 こんな話をした後で、待遇良くしろって言外に要求したようで申し訳ないけど…………俺、この部にいていいですか?」


「いいも何も………」

「むしろわしらがお願いしなきゃならん」

「お前以外に私のタコスを任せられる奴なんていないじぇ」

「ゆーき………でも、お願いします」


「京ちゃん。京ちゃんが私を、この部活に誘ってくれたんだよ? 京ちゃんが一緒じゃなきゃ、私やだよ?」

「咲………」

「京ちゃんが一緒にいてくれないなら、私も辞める」

「な………」

「須賀君」

「は、はい」



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