京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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182:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2016/09/04(日) 20:39:35.99 ID:9PCR24Zc0
 そんな俺の戸惑いすら見透かしたかのように、赤木さんは笑って気を利かせてくれる。

 そのまま何度か煙を吐いて、雨音だけが聞こえてくる時間が続いた。


「ん………待たせたな」


 赤木さんが短くなった煙草を灰皿に押し付け、俺と向き合う。


「この雨で散歩にもいけねぇし、せめて煙草だけ買いに行こうとしたらお前さんが居たんでな。まぁ、ジジイの暇つぶしに付き合わされてると思ってくれて結構だ」

「いえ、そんな………! 赤木さんが着てくれなかったら、あのまま濡れて風邪ひいてただろうし………」

 スッ
 その時、部屋のふすまが開けられて、仲居さんがやって来た。


「失礼いたします。お飲み物をお持ちいたしました」

「おう、ご苦労さん」


 仲居さんは、湯気の出るような熱いお茶を俺の前に置いて、赤木さんの前にはビールの小瓶とコップを置いた。


「ああ、姉ちゃん。この、フグ刺し頼めるか?」


 赤木さんがルームサービスのメニューを指さしながら尋ねる。


「申し訳ありません、最近は天気が良くなくて、業者も来れなくて御品切れとなっております」

「そうかい(´・ω・`)」


 赤木さんはとても残念そうな顔をした後、ビール瓶を開けた。


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