京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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155:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2016/09/01(木) 00:39:18.08 ID:MFyxpBzt0
「私たち、大会前だからって…………、どうせ京ちゃんは個人戦しか出れないからって、京ちゃんに任せ過ぎだよね…………」


 咲のその言葉に、その場にいた全員が胸の中を抉られる思いだった。

 自分と同級生、もしくは1つか2つ下の後輩が、毎日深夜まで起きて自分たちの牌譜を整理してくれていて、部活中でもまこが卓に混ざるときは牌譜を全部やらせ、食事や掃除、買い出しといった雑用もすべて任せていた。

 大会前だから、というなら京太郎だって自分達と条件は同じはずだ。

 だけど京太郎に任せておいて異を唱えなかったのはきっと、きっとこの場にいる誰もが、あえて無視し続けていた、「どうせ京太郎は1回戦負けだろうし、実力もないから練習相手にもならない。だったら自分達を優先的に練習させて、雑事は京太郎に任せればいい」という、京太郎を蔑ろにした考えに基づいてのことだ。

 無論、心の底からそう思っていたわけではない。京太郎を疎ましく思うものなど、一人もいはしない。

 だが成人もしていない未成熟な少女たちはどうしても、「もう一度、自分たちが優勝のような好成績を残したい」という欲が勝ってしまい、結果京太郎の境遇に目を向けることを避けてしまった。

 ここで咲にその問題と対面させられて、5人は自分が今までいかに合理的ではあるかもしれないが、非道なことをし続けてきたのか、自分の心の汚さと直面させられる。



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