9:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 08:59:13.36 ID:z/+VcU0Mo
「………なんてね」
頭の片隅で考えた馬鹿な事を振り払って、前を見る。
敵はもう、殆ど残っていない。
残念だと思うのは、まだ続けていたいと思うのは―私がおかしいからだろうか。
と、少し冷静になった頭が敵以外にここに存在する者を思い出して、後ろを見る。
「あ」
――やってしまった。
随伴艦が怯えている。当然敵ではない、私にだ。
………無理もない。どころか当然のことだった。
「あーあ……」
そういえばこの前新しく加入した娘達もこうして怖がらせたなぁ。
今笑いかけたら…普通に考えて逆効果、か。
…またしばらく微妙な空気で出撃するはめになるのか、と考えると、表情はどうしても重くなる。
「まぶし…」
目線を、上にやる。
北方の空には珍しいことに、空はこれでもかと青く。
氷山に反射した陽光が、私をこれでもかと照らしていた。
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