瑞鶴「提督と翔鶴ねぇ、時々わたし」
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6:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 08:53:39.28 ID:z/+VcU0Mo


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 ――此度の北方海域の任務へ参加させられた親潮は、考えていた。

 果たして旗艦―瑞鶴は、初陣で命を預けるに足る人なのか、と。

 当然、それは口にも表情にも出さない、出してはいけないことではあるが。

 しかし彼女ら練度の低い艦は、旗艦である瑞鶴がしくじればまず間違いなくこの北方の海に命を散らすことになる。

 故に、表に出さずともその疑いを抱くこと自体は当然の権利であると言えた。

 彼女が瑞鶴に出会ったのはこの任務が初めてであり、その際の印象としては、なんとなく頼りない人、であった。 

 しかも、出撃の最中もこちらをチラチラと伺うだけで特に気の利いた言葉も掛けてこない。

 時折の戦列の確認ぐらいが関の山である。

 益々、彼女の瑞鶴の『指揮官』ぶりに対する印象は悪化した。

 けれど、それでも彼女は瑞鶴に命運を託さねばならない。

 自分たちに出来ることなど殆ど無い、この戦場で。

 不安は刻一刻と増していき、酷く気分が悪くなってくる。

 いよいよ戦闘が開始されることになった段など、思わず踵を返して鎮守府へ逃げてやろうかという案が何度も頭をぐるぐるしていた程に。

 そこで、彼女は見た。他でもない、瑞鶴を。

「え………?」

 そして―信じられないと、そんな表情を浮かべた。

 それは親潮だけでなく、随伴する低練度の艦、全てに共通している物だった。


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