4:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 08:50:25.97 ID:z/+VcU0Mo
「…ふふっ」
『…どうした、なにがおかしい』
「なんでも、いつも通り提督さんの声が素敵だったから、それだけよ」
『…そうか、…ありがとう?』
「どういたしまして…さ、ちゃんと指揮してね」
『わかっている、瑞鶴…その』
「うん、随伴艦の娘達には近付けさせないわ」
『すまないな、難しい任務をいつも』
「大丈夫だってば」
思わず、苦笑を浮かべた。
艦娘にこうまで気を遣ってくれなくたっていいのに。
別に使い潰せとまでは言わないが、私達は突き詰めてしまえば所詮兵器なのだから。
そんな風に気を回されるのは、なんとなくむず痒いと。少なくとも私はそう思う。
…でも、そんな彼だからこそ、私はこんな気持ちでここにいられるのかもしれない、とも。
そうして私達の間に流れたなんとも言えない沈黙を、ちょうどいいタイミングで、電探の音が紛らわせてくれた。
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