12:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 09:03:46.49 ID:z/+VcU0Mo
「提督……?」
先に反応したのは、翔鶴姉。
驚きが、声に滲んでいた。
「いや、最近ずっと報告が翔鶴からだったしな、降りてきた」
無線越しで聞くよりも、幾分か柔らかい声音。
――無意識に、無邪気に、押し殺そうとしていた心が跳ねる。
「…別に…いつもの、任務だし」
精一杯作ったそっけないつもりの態度。
わかっている。何も隠せていないことなど。わかりきっている。
私はただ、翔鶴姉から顔を逸らしていた。
「いつも、だからだよ」
「ありがとうな、瑞鶴」
言葉とともに、ぽん、とひとつ頭を叩かれた。
自然と、手が触られた場所を追って――途中で気付いて、行き場の失った手を降ろす。
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