96: ◆mZYQsYPte.[sage saga]
2016/09/28(水) 07:39:56.95 ID:NBdSDHsho
「ああ……だからか」
いつの間にかすり替わっていたのだろう。目的が手段に変わるように。私の心は変わってしまっていた。
「私はアレだけアンタの名前を口にしてたのに、存在を忘れかけてたんだ。自分ばっかり見つめてアンタの名前に縋って生きて」
熱いものが頬を伝う。
お前は何様だ。何故一人だけ無様に生きながらえた。何のために、私は何のために……?
『好きよ、八雲』
脳裏をよぎる彼女の優しい表情と言葉。
ごめんなさい、と。私は子供のように何度も呻く。
苦しみながら言葉を吐き出し、また飲み込み、吐き出す。
誰にも届かない自分の気持ちが今はただ苦しい。
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