9: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2016/06/19(日) 02:05:17.68 ID:qA82S3wZo
ハル『そう言えば…耐性の方は、どの程度の範囲に適用されているんですか?ユズちゃんの炎で、私達の光の魔法全般が無効化されるとかは…』
俺『あぁ、その点は問題無い。あの時点で付いた耐性は、熱耐性だけで…それも、あの炎の温度までだ』
カライモン『ならば、それ以上の温度…収束させた光で焼き切るのも、削り切るのもまだ有効…と言う事だね』
俺『そう言う事だ』
カライモン『適応では無く、耐性でありながら…この結果とは。律儀と言うか何と言うか…』
俺『まぁ、言いたい事は判らないでも無いんだが…さすがにこれ以上の雑談をしてる暇も無さそうだ…ぜっ!』
神風を介して、意識を直結させた状態での意思の疎通。
通常の会話と比較にならない程の、ほんの数秒の間に済ませたやりとりであっても…戦いの最中では、決して短くない時間を費やしている。
そして…虚獣に至っても、その時間を無為に過ごす筈が無く……
俺「やれやれ…今度は人型かよ。まぁ、こっちとしちゃぁ丁度良いサイズだから願ったり叶ったりなんだがな!!」
先の球体のように…今度は背中に空いた無数の穴から、人型の小さな虚獣を大量に生み出していた。
カライモン『生み出した質量に対して、減少した本体の質量が多い。決して見た目で油断せず、気を引き締めて迎え撃ち給え』
俺『その点だけは安心しな。こう言うのも何だが…油断なんざしてる余裕はこれっぽっちも無ぇよ!』
その手に剣を形成し…俺に向けて一斉に斬りかかって来る、人型の虚獣達。
足の運びに、刃の軌跡…切り返しから回避に至るまで……姿形こそ人のそれでありながらも、動きに関しては全くの別物。
まるで人型の水風船がうねるような奇妙な攻撃を、俺は紙一重の所で躱しながら…一瞬の隙を突いて、反撃する。
俺「だぁぁぁぁぁりゃぁぁぁぁ!!!」
掛け声と共に人型虚獣の胴体を切り裂き…間髪入れずに、後ろに跳んで一気に間合いを離す。
そして1テンポ置いた後、切り裂かれた虚獣の断面から眩い光が溢れ………
周囲に爆音が響き渡った。
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