76: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2016/07/20(水) 22:22:56.99 ID:G8Avh2PSo
家の中にインターホンが鳴り響き…暫くしてから、覚えのある声が聞こえました。
誰か「この度は…ご友人の件、真に残念です」
父「いえ、これも身から出た錆でしょう。私の考えが浅かったのが原因です」
母「それより…本日はどう言ったご用件でしょうか?娘の件でしたら、先日お断りした筈ですが?」
誰か「いえ、本日は…少しでもお力になれれば…と」
父「これは……そんな…受け取る事など出来ません!!」
誰か「いいえ、受け取って下さい。貴方達のためにも…お嬢さんのためにも」
父「娘の……いや、そうか…そうだな、そうなんだな!?」
誰か「……どうなさいました?」
父「アンタか…アンタなんだな!?全部アンタが仕組んだ事なんだな!?全部…全部…!!娘目当てにこんな事をしたのか!?」
誰か「な…何を?!」
母「あたな!!」
父「茅野の失踪も…取引先の倒産が相次いだのも…全部あんたが、やったんだろ!?なぁ!?」
母「止めて…止めて下さい!あなた!!」
誰か「………こんな状況では、違うと言っても信じては貰えないのでしょうね」
父「当たり前だ!どう考えたっておかしいだろう!!信じられる訳あるか!!」
誰か「では…あえてその前提の上で話をしましょう」
母「え……?」
誰か「私は…娘のためならば、何だってします。それこそ、必要とあれば今回のような事もするでしょう」
父「っ………開き直るのか!!」
誰か「私が幾ら卑劣と罵られようと構いません。ですが…娘は別です!どうか…どうか、お願いします!!」
父「――――っ!!帰れ!帰ってくれ!!」
父の怒号の後…少ししてから、誰かが玄関から出て行く音が聞こえ……その日の出来事は終わりました。
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