58: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2016/06/26(日) 23:54:27.14 ID:JbMqKR0Io
●まぎれて
俺「んでも…一体どう言う作戦なんだ?」
レミ「それは…って、今言っちゃったら虚獣にバレちゃうのよね?じゃぁ…カライモンに、狭間まで来て貰える?」
思考を始めた辺りで、既に場所を移していたのだろう。
話を聞く限りでは、レミは今狭間に居て……カライモンも呼ばれてそこに向かった所らしい。
カライモン「ふむ…可能性は低いが、無い訳では無いな。となると後は、実行に移すまでの時間稼ぎと……決め手な訳だが…」
俺「あぁ………そこから先はわざわざ言わなくても判る。判ってる…俺が時間を稼げば良いんだろ?」
カライモン「そう言う事になる…が、心配はするな。今回ばかりは、私もその役を担うとしよう」
…と言って、カライモンが再び俺達の目の前に現れた。
俺「……って、こっちに戻って来ちまって良いのかよ!作戦がバレちまうんじゃ無ぇのか!?」
カライモン「なぁに心配は要らないよ。必要最低限の情報以外は消去して来てある」
俺「お、おう……そ、そうか」
突っ込まない、突っ込まない……無茶で出鱈目な事はいつもの事。
そう自分に言い聞かせながら…俺は、虚獣の足止めに入る。
俺「……つっても…さすがにこれはキっついな…」
勢い良く啖呵を切っては見た物の……障害となったのは、俺自身の余力。
宇宙空間その物を吸収して…辛うじてながら、ディメンションスレイヤーを要所要所で形成するだけの力は供給出来ている。
が…さすがに常時それを維持だけの力は無く…攻防が長引くにつれて、その間隔も短くなって行く。
カライモンに至っても、何やら魔法陣を展開し始め…それを維持しながらの戦闘は、極めて危うく………
ハルやユズも、魔力に関しては俺と同じ。
吸収量を消費量が圧倒的に上回り、保有していた魔力量が目に見えて減少して行くのが目に見えて判る。
いつ崩れるかも知れない防波堤…それを背にしながら戦うような、瀬戸際での交戦の最中……
俺「くそっ………またあれかよ!!」
虚獣は、残された方の腕に光を集め……再びそれを地球の方角へと向けた。
地球に向けて放たれる閃光……恐らくは、ゆうに地球を消し去る事が出来るであろう一撃。
しかし、こんなタイミングに限ってディメンションスレイヤーを形成する事が出来ず………止められない。
神風が命を賭して切り抜けた危機…それを俺達がないがしろにする事など出来る筈が無い。
俺は持てる意識を振り絞り、打開策を絞り出そうとしたのだが………
カライモン「先程の物は、あくまで不意打ちだったからこそ防げなかっただけの物。残念ながら…来ると判って居れば、どうにでもなるのだよ!」
俺が行動を起こすよりも先に、カライモンが先回りして……根幹を食らう竜の咢で、閃光を食らい尽していた。
カライモン「成程……ここまで織り込み済みで、あの魔法を準備していた…と言う事か。さぁ……この長い闘いにそろそろ終止符を打とうか!!」
そして、カライモンが雄叫びを上げるのとほぼ同時に……
レミが、その姿を現した。
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