147: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2017/03/20(月) 18:52:29.44 ID:UVX0DcQxo
カライモン「まず初めに…判って居るとは思うが、ついさっき君が終わらせた世界は……私達の生まれ育った世界では無い」
ボク『そう言う事なんだろうね、でも納得が行かない。あの世界には彼女達の痕跡が確かにあった…あれはどう言う事だい?』
カライモン「そこはやはりと言うべきか…残留した痕跡で判別をして居たのだね。ヤマが当たって良かったよ」
ボク『いや…例え判って居たとしても、一昼一夜で用意出来る濃度では無かった。いや、そもそも偽装なんて出来る筈が無いんだ』
カライモン「だろうね。だから下手に偽物を用意しても無駄だと思い、本物を使わせて貰った」
ボク『本物………まさか?』
カライモン「そう……隣合ったもう一つの世界。より濃く痕跡の残った、あの世界に君を誘き寄せたのさ」
ボク『ボクを欺くため…そのために世界を丸ごと囮にしたって言うのかい?いや、だとしてもおかしいじゃないか。そもそも―――』
カライモン「絡み合った二つの世界線は、同時に断ち切られる筈だった…だろう?だから………あらかじめ二つの世界を分断しておいた」
ボク『なっ…………』
カライモン「それと誤解の無いように言っておくが…あの世界の住人は、全員Ifの世界に避難済み。つまり犠牲者は皆無だ」
ボク『………………』
カライモン「これに関しては、さすがのアラク君にも重労働でね。肝心の君との戦闘においてはご存知の通り…本当にギリギリの余力になってしまったよ」
ボク『成程…成程ね。完敗だ、完全に出し抜かれてしまったよ………今回は…ね』
カライモン「………今回は?」
ボク『一度空撃ちしたら、それで終わりかと思ったかい?少し時間はかかるけれども、もう一度プロセスを一巡させれば良い…それだけだよ』
カライモン「………そうか…それが君の思惑か」
ボク『さすがにそこまでは考えが及ばなかったかい?残念だったねぇ!一度勝っただけで良い気にならないでくれるかい?最後に笑うのはこのボクさ!!』
カライモン「いや、そう言う意味では無い。と言うか…痕跡を探った時点で気付いている物とばかり思っていたのが…」
ボク『は?一体何の事を……ん?………な…に……?そんな…これは、まさか……!?』
カライモン「そう…私がこうして長々と種明かしをしていたのは、あくまで時間稼ぎのためだ。そして………」
ボク『馬鹿な…馬鹿な馬鹿な馬鹿な!!何故だ…何故……世界の終焉に飲み込まれた筈なのに!!』
カライモン「次回なんて物は存在しない。今回が君の最終回…終焉だ」
ボクの目の前に、あの男と二人の女…世界と共に終焉を迎えた筈の三人が、姿を現した。
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