146: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2017/03/20(月) 18:32:05.72 ID:UVX0DcQxo
〇しなおし
―――さて。
途中で幾つかの誤算はあった物の、ボクの目的は無事に達成された。
さっきまで居た世界…彼女達が固執していた世界の終焉は成った。
後は…物質媒体を失った彼女達の痕跡を辿って、再び説得を試みる。それが叶わないのであれば、判って貰えるまで続けるだけ―――
カライモン「………なんて事を考えて居るのだろうね」
ボク『―――っ!?………あぁ、そうか…キミはあの世界に戻っていなかったねぇ。いや…あえて戻らず、故郷の世界との心中を避けたと言うべきかな?』
カライモン「そうだね…世界との心中を避けるため、あえて戻らなかった」
ボク『やはりねぇ…その割り切りの良さと言い、才能と言い…認めよう、君は切り捨てるには惜しい逸材だ。どうだい?何ならボクの……』
カライモン「だが……君は大きな勘違いをしている」
ボク『………何?』
カライモン「よぉく確かめてみ給え。いつものように…世界を終わらせる度にしていたように、彼女達…核の存在やその痕跡を辿ってみると良い」
ボク『そんな事、言われるまでも無く………ん?』
カライモン「……ふふふ…気付いたようだね」
ボク『そんな…馬鹿な!!こんな事………っ!!』
カライモン「ある筈が無い…だろう?だが…ところがどっこい、これが現実だ!」
ボク『何故だ…ボクは彼女達の居た世界を終わらせた…終わらせた筈なのに……何で、何で別の世界に彼女達の痕跡が残ってるんだ!!』
カライモン「策士策に溺れるとは言うが…見事に溺れてくれたね。いやぁ、見て居て爽快だったね」
ボク『な…に……?』
カライモン「なまじ目が良すぎる物だから、逆に見えない物を見ようとしない…そんな事だから、引きずり込まれて溺れて居ても気付かないのだよ」
ボク『………能書きは良いから、早く種明かしをすれば良いじゃないか。そのためにキミはここに来たんだろう?』
カライモン「やれやれ、せっかちだね……良いだろう、教えてあげよう。どうやって君を出し抜いたのかを…ね」
口元に笑みを浮かべ…カライモンは語り始めた。
226Res/301.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20