11: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2016/06/19(日) 22:45:17.97 ID:qA82S3wZo
●せつじつ
俺「やれやれ…参ったな。俺的には切り札として格好良く切ったつもりだったんだが…こうも裏目に出ちまうか」
皆との、会話を行うその最中にも続く…人型の虚獣との切り結び。
切り札がほぼ不発に終わってしまった、その痛手もさる事ながら…追い打ちとなるのは、そのしっぺ返し。
小規模ながらも、下手に反物質によるダメージを与えてしまったため…当然のように、衝撃に対する耐性を付けられ………
いよいよもって、ディメンションスレイヤー以外でのダメージが見込めない…と言う危機的状況に陥ってしまっている。
だが…そんな追い打ちさえも、まだ本当の危機では無いらしく……それを知らしめるかのように、俺の背後から破滅の足音が近付いて来た。
俺「っ―――!?」
肉体か精神か…はたまたその両方の疲労か……
僅かに鈍った反射神経の隙を突かれ、人型虚獣の刃が俺の二の腕を掠める。
ダメージだけならば、それ程の物では無い。
痛みも殆ど無く、文字通りのかすり傷。
虚獣との戦闘が始まってから、初めて…たった一度だけ受けた攻撃。
そう…たったの一撃掠っただけ………にも関わらず、俺の背筋を正体不明の寒気が走り抜けた。
俺「何だ…何だってんだ?何で俺はこんな攻撃にビビってる?まだほんの一撃…たったの一撃くらっただけで………いや、そうじゃ無い?」
不安を紛らわそうと、改めて口にしたその言葉。だが…逆にその行為が、目を背けて居た事実を目の前に突き付け………
俺「そうだ…俺はまだ一撃も虚獣の攻撃を食らって無かった。どんな攻撃なのか、何が起きるのかも知らないまま……それを受けちまった?」
…………気付いた時には、もう遅かった。
俺「確か………俺は…腕を斬り付けられて………え?な………何だよこれ!?」
思い出したように、腕の具合を確かめようとした時………
そこある筈の、ディメンションスレイヤーを掴んでいた俺の腕は…既に存在していなかった。
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