八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「またね」
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368: ◆iX3BLKpVR6[saga]
2017/08/07(月) 23:36:12.07 ID:ttV+FyVW0



楓さんは、ゆっくりとその手を莉嘉へと差し出す。
その手の平の上には、ガラスの欠片があった。

黒く、まるで何かの瓶の欠片のような。



莉嘉「っ!」

楓「これが、莉嘉ちゃんの扉の前に落ちていたそうです」



先程俺が楓さんに渡した、たった一つの欠片。
だが、それが名案を分けた。



凛「もしかして、それが割れた酒瓶の欠片ってことなの?」

楓「ええ。おそらく」



楓さんが勝負の場所をわざわざ相手の部屋を指定したのは、たぶんこれが本来の目的。
別に欠片に限った話ではなく、何か部屋に痕跡が無いか、それを確かめるべく各部屋へ来たのだろう。



文香「さきほど幸子さんの部屋で何やら探していたのは、そういう理由だったんですね……」



確かにウロチョロしていた。もう少し上手く探せよと思ったのが正直なところ。

ちなみに兵藤さんの時は相手に場所を指定されてしまったが、そこはそれ。あらかじめ予期していたのか既に楓さんは早苗さんと兵藤さんどちらの部屋にも行っていた。宅飲みをするという名目で。……まぁ、半分以上はそっちのが目的だろうけどな。



莉嘉「…………」

楓「もちろん、これが武蔵のものであるという確証もありません。もしかしたら本当に何の関係も無い破片かもしれませんし、扉の前にあったからと言って、莉嘉ちゃんが酒瓶を割ったとも限りません」

莉嘉「…………」

楓「これはただの私の推理……いえ、推測です。証拠も何もありませんから、もし違ったなら、謝ります」

莉嘉「…………」

楓「だから、聞かせて莉嘉ちゃん。……あなたがやったの?」



優しく、諭すように、探偵は尋ねた。

問い詰めるのではなく、解き明かすのでもなく、ただ単純に、彼女は尋ねたのだ。





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