91:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 16:33:34.74 ID:I+fdqcufo
「たわけっ!」
と、建物の方から幼い声がした。
首の筋肉はまだ焼き切れていないらしく、ぼくは首を建物へと向けることに成功する。
燃え上がり、水分の蒸発しきった眼でみると、そこにいたのは――先ほどぼくの腕の中
で寝ていた、かわいらしい金髪の女の子だった。
「さっさとこっちに戻ってくるんじゃ!」
と、彼女は少女にあるまじき権高な目つきで、ぼくを怒鳴った。
どうやら、全身の痛覚神経は焼き切れてしまったようで、そのころには幸い、痛みをほ
ぼ感じてはいなかった。ぼくは、肉の落ちた所為で二本の杖のようになってしまった両膝
を必死に動かし、両手首をついて、建物のほうへと戻った。
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