キスショット「これも、また、戯言か」
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266:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/26(月) 02:29:21.17 ID:znhwGlXXo

「人間であるために……人間以外の力を使う? それは……そんなの、矛盾だ」

「ええ。よく言われます」

 でも、人間てそんなもんじゃないですか?

「……………………………………そうか」

 ドラマツルギーは立ち上がった。さて、この後はどうすべきか……。

 と、身構えていると、ドラマツルギーは「いや、もういい」と、短く言った。

「え?」

「私の負けだ。と言いたいんだ。もうお前に、勝てる気がしなくなってしまった。お前は、

私ごときの手では負えない」

「え? いや、あの……」

「それとも、こう言えば満足か? 降参だ。二度と手は出さん。命だけは助けてくれ――と」

 ドラマツルギーは両腕を上げ、にこりともせずに言った。

 「え、えっと……」と、ぼくが困惑しているとドラマツルギーは説明をしだした。

「正直なところ、もともと、地力ではお前のほうが強いのだ。それでも実戦経験の差でまだ私が

勝てると思っていたが、まさかここまで色々されるとはな」

「……」

「変身能力に、不死身性を生かした接近。このままでは、戦ってるうちに本気になりそうに、

殺してしまいそうになる」

「あ、やっぱりまだ本気ではなかったんですね」

「ああ……だが、どうかな。最初から本気でやっていたところで、どう転んだかわからん。

それこそ、逆に私が殺されていたかもしれない」

「……買いかぶりすぎですよ」

「そんなことはないと思うがな」
                          バケモノ
 「お前は否定したが、やはり私は、お前はこちら側だと思うよ」と、ドラマツルギーはつぶやいた。

「……キスショットの右脚。返してくれるんですよね」

「ああ。今はある場所に隠して保管してあるが――すぐにでも、あの軽薄な男に渡しておく。

それでいいんだろう?」

「ええ」

「では、示談成立だ」



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