キスショット「これも、また、戯言か」
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261:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/26(月) 02:22:43.86 ID:znhwGlXXo

 が。

「あ」

 思ったより、ドラマツルギーとの距離は離れていた。距離にして三十メートルほど。

ドラマツルギーの足音が一定に聞こえてきたのでせいぜい十メートルくらい後ろだと思っていたが、

吸血鬼の力によりぼくの耳は強化されていた。遠くの音でさえもしっかりと拾えるようになって

しまっていたのだ。

 ドラマツルギーが、走りながら右腕を振りかぶる。そりゃそうだ。三十メートルも先で回転する

動きが見えたら、あらかじめ剣を置くようにぼくを斬ることはできる!

 どうする、速度を落とすか?

 いや、このままでも行ける。

 ぼくは人間なのだから。

「うおおおおおおおお」

 恐怖を押さえ、そのまま走り続ける。ドラマツルギーは首を切り落とすつもりのようだ。

 問題は、ない。

 ドラマツルギーの右腕、フランベルジュの間合いに、全力で入った。

 水平に振るわれた右腕が、ぼくの首を切り落とす。

 問題はない。

 ぼくは、人間なのだから。



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