キスショット「これも、また、戯言か」
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260:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/26(月) 02:19:53.32 ID:znhwGlXXo

「くっ! この期に及んで逃げるか!」

 という声を背中で浴びた。足音から察するにドラマツルギーも、全力で追いかけてくる。

巨体のわりにすばやいが、ぼくもまた吸血鬼の力のおかげでそれなりに足の速い状態だ。

足音からの体感になるが、ほぼ同速だろうと思う。

 ドラマツルギーとのリーチ差をなくす。相手より遠い間合いからの攻撃は不可能。

 ならば、剣を振るう前に、ドラマツルギーが剣を振るえない距離まで接近できれば、

脚を振るえない距離まで肉薄できる、それだけの速度が持てれば、ぼくに勝機はある。

 その速度には、互いが全力疾走したくらいの速さが欲しい。つまり、この速さを維持したまま、

ドラマツルギーの元へと突っ込めればいけるはずだ。

 この速度を維持したまま、方向転換。学校のグラウンドであるならば、きっとそれはある。

 あたりを見回し、そして見つける。

「あった! 鉄棒!」

 さいわい、鉄棒の持ち手はぼくの身長よりも高い位置にある。であれば、あそこを支点に

回転ができる!

 ぐるり、と、グルッピーのように回転し、ぼくはドラマツルギーの元へと特攻を仕掛ける。



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