キスショット「これも、また、戯言か」
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173:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:36:48.91 ID:ntvrM9VEo

「ここには、きみたちが眠っている間に、こっそりと結界を張っておいてあげたからさ」

「結界……?」

 そういえば、さっきもそんなことを言っていた。

「……シャボンバリアーみたいなもんですか?」

「なぜシャボンを付けた」

 この学習塾跡を真っ黒に感光したらきみら死んじゃうでしょ、とは忍野からのツッコミ。

「とにかく、シャレにならないくらい土地勘があるならともかく、異邦人である連中には、

ここを突き止められっこないよ――」

「……忍野さん」
           アラワ
 ぼくは警戒心を 露に、言う。

「あなた、いったいどういうつもりなんですか?」

「どういうつもりって?」

 へらへら笑いながら、忍野は応える。

「理由がわからない。って、言ってんですよ。キスショット――ぼくたちを助ける理由が

あなたにはありません。いったい、何を企んでるんです?」

「企んでる――なんて悪者みたいに言ってくれるなよ。酷いことを言うなあ――全く」

 くわえ煙草をポケットに戻し、忍野は言う。


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