174:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:38:13.36 ID:ntvrM9VEo
「さっきも言ったけど――僕は別にきみ達を助けているつもりはないよ。きみが言ったよう
にそんな理由はないし、また、必要もない」
「じゃあ、いったいなにを――」
「僕はね。バランスを取っているんだよ。言うなら、それが僕の仕事なのさ」
結局言ってることはわからないが、どうやらこれこそが忍野の本心、であるようだった。
「こちらとあちらの橋渡し、とは言え、さすがに吸血鬼ってのはいささか厄介かもねえ――
あちらの存在としても、ちょっと強大過ぎる。まして怪異殺しと来てるんだもんな。さっき
からの阿良々木くんの口振りだとさあ、まるであの三人が三人がかりでその子を襲った
ことを卑怯みたいに言ってるけれど、そんなことは全然ないよ。その子――そのハートアン
ダーブレードは、それに値するだけの存在さ」
「そう褒められると照れるのう」
キスショットは、言いながら無い胸を張る。
「……うぬにはまた服従の証を示してもらうべきかのう」
「訂正。ちょっと柔らかい胸を張る」
「うむ。よい」
「僕がいない間に二人はどこまで進んでいたんだい?」
へらへらと、忍野は訊いてくる。
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