キスショット「これも、また、戯言か」
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165:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 23:25:21.22 ID:ntvrM9VEo

「あの、帰ろうって、いったいどこに?」

 家に招待までされる謂れはない。

 まさかぼくを助けたのはただ連れ込むためじゃないだろうな、とにわかに恐怖を感じ始

めたが「いやいや、へんな思い込みはよしてくれ。随分と元気いいなあ。なにかいいこと

でもあったのかい?」と、否定してきた。

「きみが帰るところと言ったら、今はあの学習塾後の廃墟しかないだろう」

「――!?」

 ぼくの驚きには目もくれず、忍野は当然のようにぼくの先を行く。ぼくは慌てて「ちょっ

と待ってください!」と声をかけた。

「いったいぜんたい、どうしてあなたが、そんなことを――」

「ん? そりゃ知ってるよ――何せ、あの子にあの場所を教えたのは僕なんだからね」

 とんでもないことをさらりと言う忍野。

「ああ、いえ、たしかに彼女があんな場所を知っていたなんてのはおかしいとは思ってい

たのですけれど、でも」

 あれ? つまりは、



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