151:名無しNIPPER[sage]
2016/05/20(金) 22:54:30.69 ID:ntvrM9VEo
これ以上黙ってるわけにはいかないと考えたぼくは、
「あのー、ちょっと待ってくれませんか?」
おそるおそる、切り出した。
「とりあえず、話し合いませんか? ほら、お互い話せないってわけじゃないんですし。
知性ある物同士、交渉ってやつをですね」
「……」「……」「……」
無視。完全にぼくが滑っているかのようになってしまう。
しかしここで黙ってては殺されるのは明瞭。ここはとにかく場を保たせるしかない。
「やあ、ほら、みなさんも無駄な戦いは避けたいでしょう? いやまあぼくみたいなのを殺
すのは、あなたがたプロにとっちゃ赤子のクビをヒネるどころか、アリを踏みつぶすような
楽勝のお仕事なはずですけれど、でもそれだからと言って、無駄な労力、エネルギーの
消費は避けたいはずだ。逃げるアリを追いかけて潰すのなんて腹が立って仕方ないはず。
ならば、ここはお互いに話し合っていい着地点を見つけようじゃあないですか」
「つまり……」
ギロチンカッターが口を開く。よし、ひとまずはこちらの言葉を聞いてくれた。と内心安
心しかけていたのだが、
「つまり、あなたは無駄な抵抗をしないで、ハートアンダーブレードさんの居場所を吐いて、
簡単に殺されてくれる、ということですか?」
などと、実につれない返事をギロチンカッターはするのだった。
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