キスショット「これも、また、戯言か」
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150:名無しNIPPER[saga]
2016/05/20(金) 22:51:51.89 ID:ntvrM9VEo

「いけませんよ、ドラマツルギーさん」

 ぼくの背後で神父風の男――ギロチンカッターは穏やかな口ぶりで言う。

「現地の言葉は現地の言葉で。基本です――まあしかし、確かにあなたの言うう通りでしょ

う、ドラマツルギーさん。おそらくは、いえ間違いなく、この少年、ハートアンダーブレ

ードさんの眷属なのでしょうね――」

「マジかよ……」

 不機嫌そうに――エピソードが呟く。

「あの吸血鬼は眷属を作らないのが主義なんじゃねえのか?」

「昔、一人だけ造ったとも聞いていますがね」

「■■■……、大方、私達に追い詰められ……、やむをえず、手足代わりになる部下を造っ

たということだろう」

 ドラマツルギーが、今度は日本語で言った。てっきりパワーキャラかと思ったが……、

なかなか鋭いところをついてきた。というか正解だった。

「ってえことは何かい?」

 エピソードが、薄ら笑いを浮かべたままで言った。

「存在力を失って、非常に探しにくくなっているハートアンダーブレードの行方は、このガキの身体に訊けばわかるってことかい?」

「そういうことになりますね」

「この少年を退治すれば、その褒賞はハートアンダーブレードとは別にもらえるのだろうな」

「ふむ。とすると、どうしますか? エピソードくんの言う通り、この少年からハートアン

ダーブレードさんの行方を聞き出そうと言うのなら、ちょっとばかり手間をかけなければ

なりませんが」

「俺に任せろや。言い出しっぺだしなあ――後遺症が残らない程度に殺してやるよ」

「いや、私がやろう――そういう仕事に一番向いているのがこの私だ。吸血鬼と一番わか

りあえるのは、この私だ」

「別に僕がやってもいいんですけれどねえ――お二人だってお疲れでしょう」

 どんどん、ぼく抜きで話が進んでいく。しかも、かなりまずい方向に。

 いや、ほんと、人を目の前にしながら殺す算段を立てないでほしい。



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