モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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97: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 20:31:35.22 ID:glNSs2qCo

「ダー……そうですね。

苦悩は、もう止めましょう。……どうせ互いに平行線なのは、明らかです。

貴女は私を許せないでしょうし……私は私の『願い』を貫くために、貴女を許容できません。

結局……どちらも折れないなら、ぶつかるしかないんですから。

ならばこそ……その幕引きも、早い方がいい、ですから」

 アーニャも杭で一撃でも体を貫かれれば、それだけで致命傷。
 治療も再生もできない今のアーニャにとって、通常の人間の致命傷は当たり前のように彼女に死をもたらす。

 次の一合で決着は着く。
 その結末はいかなるものであろうと、それはアナスタシアが貫いた意思の結果だ。
 二つに分かれた意思決定は、ここでまた一つになるのだろう。

 終わりは続く。
 その先は、今が続く未来か。それとも過去に馳せる未来か。
 互いは今一度視線を交差させる。二人(ひとり)の少女の行く末を見据えて。

「……正真正銘、一撃で!!」

 アーニャはドレスをひらめかせながら、両手を構える。
 その姿勢は立膝。集う結晶は一つの長大な筒の形。

 その形は俗にいうアンチマテリアルライフル。この距離で使用する武器ではない確実に過剰な兵器。
 しかし貫通力だけならば群を抜いており、ある程度の結晶壁なら容易に貫通させられる代物である。

 アーニャはまともな構えも、狙いも付けずに躊躇することなく引き金を引く。
 この距離ならば角度補正もいらず十分に『アナスタシア』に向かって弾丸は一直線に貫いていくはずだ。



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