モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 20:11:21.54 ID:glNSs2qCo
「私は……幸せ、です。迷惑ばかりかけてきたのに……こんなにも、思ってくれる人がいる」
損得や、利己的な感情を含んでも、アーニャのことを考えてくれる人々がいることを、アーニャは実感する。
それは紛れもなく、空っぽのアーニャだけが持つ唯一の物。
『危なっかしいところや、戦いしか知らないとかっていう危ういところとか、いろいろありますけどね』
脳裏に浮かぶのは、一人の青年。
きっと、最も迷惑をかけた人だとアーニャは思う。
『結局のところ、アーニャはいい子なんですよ。
機械だとか、心がないとか言いましたけどね。
それでも多分、根っこのところで、俺たちの役に立ちたいと思ったから、戦いしか知らないからヒーローという手段を取ったんだと思います』
誰かと会話するような青年の言葉。
その言葉は、呆れも含んでいながら歳の離れた妹を思うような温かみがある。
『血なまぐさい生活をしてきたのにもかかわらず、あれだけまっすぐな子なんですから。
きっと、すぐ成長してきますよ。ちゃんとした答えを持って』
その言葉には、信頼が乗せられている。
彼自身の人柄もあるのだろうが、それでも一般的にまともとは思えないような少女に対してここまでの信頼をよせてくれるのだ。
ならばアーニャはその信頼に答えるしかないだろう。
「ピィさん……私の願いは、決まりました」
素霊は粒子となって、アーニャの周囲を渦巻く。
いくつもの拙い幻想は、結晶となって一つの願いへと昇華した。
まぎれもなく、彼女にも願いはあった。
それは、『アナスタシア』のような途方もないものではない。
だが、それでも唯一彼女のみが持ち得るものだ。
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