モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 19:42:42.84 ID:glNSs2qCo
幼き素霊の女王の軍略は拙いものだ。
だがそれでも、単純な指令であってもその素霊の総軍は膨大。
「数だけは、揃えてってか?」
ただ一人の軍隊(ワンマンアーミー)と謳われる隊長といえど、無限の軍隊に劣勢となる。
いくら大量の樹木を弾丸にしようと、生成され続ける結晶杭を相殺し続けていれば本当に樹海は丸裸になり、残弾は尽き果てるだろう。
そんなのことなど、隊長は初めから承知している。
そして、彼自身かつてアーニャと憤怒の街で戦っていた時のように手加減する気もなかった。
「やり過ぎたところで、問題はないからな!」
「なにを、今更……っ!?」
一斉にガラスが砕けたような音が響く。
隊長の言葉の後に、アナスタシアが作り出した無数の杭は一瞬にして砕け散った。
「視覚内は、射程圏内だと知っているだろうが」
隊長の超能力は、いわば触覚の拡張に近いものがある。
視覚に入りさえすれば、それを『握りつぶす』ことは造作もないし、その気になれば視覚外においても超能力による物理探知によって潰すことができる。
彼自身、標的は対面し戦うことを好むがゆえに能力の正確な射的距離は把握できていないものの、その気になればその場から一歩も動かずに、地球の裏側の人間を超能力で殺すことさえもできるのだ。
故に視界に納まりきらぬほど膨大な結晶杭をアナスタシアが用意しようと、隊長は一呼吸のうちにすべてを砕くことさえ可能である。
「こんなことっ!!」
アナスタシアにとっては杭が全滅させられようと再び作り出せばいい。
しかし、ウロボロス本体ならまだしも、アナスタシアの肉体で一度に扱える力の量には限界があった。
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