モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 19:41:09.83 ID:glNSs2qCo
「意味もなく、未練がましく、中途半端なアナタを、ワタシは唯一許せない」
だが、あまりにも無駄で、無意味で、そして力を持ちながらも、既に存在しない誰かに許しを請うようなことばかりをするこの男を、アナスタシアは純粋なる精神を濁らしても許せなかったのだ。
「だから、ワタシはアナタを殺す。
立ちはだからなければ、二度と会うことはなかったのでしょうけど。
立ちはだかるのなら、それもまた『好機(возможность)』。
ワタシはアナタを唯一の殺人として、アナタが取りこぼしたものを救いに行く。
過去を変えて、アナタという存在を筋書から抹消する」
その身体は再生する。
爛々と輝くウロボロスの翼は、光の反射と共に羽ばたく。
アナスタシアの頭上一面に浮くのは、素霊の集合体である結晶杭の万華鏡。
争いを嫌う少女の、殺意に満ちたその意思は、尾を呑む蛇のごとくの矛盾である。
「……だからガキだと、言っている。
物事を理解してねぇ。その願いは、叶う前から破綻してんだよ。
俺が愚かなのは理解しているが、お前ほど大馬鹿じゃあない。
……だがまぁ、世界がどうとか、子供の間違いだとか、もはやどうでもいい」
隊長もすでに限界など超越している。
故に、境界線を越えている今、これ以上超越したところで何ら問題などありはしない。
「お前俺を馬鹿にするのも大概にしろよ。
知ったようなこと喋るなと言っただろうが。
その顔面、そこら中にある火山岩に擦り付けさせて、生きていることさえも後悔させてやる。
俺は、俺の行いを正当化してやる。俺が正しいと世界に宣誓させてやるさ。
……せいぜい、その甘い夢を抱きながら、外法の下にひれ伏しなァ!!!」
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