モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
1- 20
44: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 19:40:11.17 ID:glNSs2qCo

 人一人を殺すには過剰なほどの念動力。
 圧殺、惨殺、刺殺、物理的な殺害法を集約したような隊長の一撃は、容易くアナスタシアの身体を塵一つ残さず滅殺する。

 肩で呼吸をしながら隊長は、アナスタシアの残骸に目を向ける。
 隊長の額から流れた血は、鋭い眼光を放つ目尻を伝うように垂れた。

「……わかったような口で喋るなよガキが……。

俺は、俺がしたいように……してきた。

だが、俺の思い通りになったことなど、一度もねぇ。

それを、他人のお前が知ったような口で語るなよクソガキ。

力があろうと、思い通りになるなんて……思い上がるなよ」

「да(ええ)……確かにその通りかも、しれない。

だけど、そんな言い訳笑えないわ。

アナタは、したいようにしてきたんじゃない。選ぶのを、恐れた。

負け犬の論理、手からこぼれたものを尊いと思い続け、正当化しているだけ。

だから……選べたのに、選ばなかったアナタを軽蔑し、唯一憎悪するの」

 聖人ゆえに、その精神性は限りなく純粋である。
 彼女は、あらゆることを許してきた。
 利益のために戦う愚かな敵も、生きるために死んでいった部隊の仲間たちも。

 その行いに意味があったのなら、それは尊いものだとして祈りをささげた。
 殺し合いを憎みはしても、人そのものは憎まなかった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
558Res/632.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice