モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/05/07(土) 19:40:11.17 ID:glNSs2qCo
人一人を殺すには過剰なほどの念動力。
圧殺、惨殺、刺殺、物理的な殺害法を集約したような隊長の一撃は、容易くアナスタシアの身体を塵一つ残さず滅殺する。
肩で呼吸をしながら隊長は、アナスタシアの残骸に目を向ける。
隊長の額から流れた血は、鋭い眼光を放つ目尻を伝うように垂れた。
「……わかったような口で喋るなよガキが……。
俺は、俺がしたいように……してきた。
だが、俺の思い通りになったことなど、一度もねぇ。
それを、他人のお前が知ったような口で語るなよクソガキ。
力があろうと、思い通りになるなんて……思い上がるなよ」
「да(ええ)……確かにその通りかも、しれない。
だけど、そんな言い訳笑えないわ。
アナタは、したいようにしてきたんじゃない。選ぶのを、恐れた。
負け犬の論理、手からこぼれたものを尊いと思い続け、正当化しているだけ。
だから……選べたのに、選ばなかったアナタを軽蔑し、唯一憎悪するの」
聖人ゆえに、その精神性は限りなく純粋である。
彼女は、あらゆることを許してきた。
利益のために戦う愚かな敵も、生きるために死んでいった部隊の仲間たちも。
その行いに意味があったのなら、それは尊いものだとして祈りをささげた。
殺し合いを憎みはしても、人そのものは憎まなかった。
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