モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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39: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 19:35:46.24 ID:glNSs2qCo

「あとは俺の好きにやらせてもらう。

傍観者を気取るのもいいが、お前の思い描いた脚本通りにはさせん。

そこで、俺がすべて引っくり返すのを本の栞でも噛みながら俯瞰しているがいいさ。

……ああ、じゃあな情報屋。『また、会おう』」

 『二度と会うまい』とは言わない。
 口癖のように、去りゆく人々に吐いてきた言葉を隊長はここでは口にしなかった。

 湿った風が通り抜ける。
 スマートフォンを懐にしまい込んだ隊長は、霊峰を背に向け森の奥をじっと見つめる。

「はっ、ようやく来たか。

郷愁は済んだか?後悔は消化したか?

お前が何を願おうが勝手だが、ここがお前の収束点だ」

 その言葉に答えるかのように森の奥から現出する一つの影。
 気配さえ希薄でそこに居るかさえ朧げだが、公園にいたアーニャとは違いその姿ははっきりしている。

 その差は、世界から希釈されているか、世界そのものと同化しているというものだ。
 前者は存在が薄められているということであり、一方後者は世界と同化し、存在を拡張しているということである。

「……やっぱり、最後に立ちはだかるのはアナタですね。

いつの時も、そうだった。ワタシの全てを壊すのはアナタだ」



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