モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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38: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 19:34:54.40 ID:glNSs2qCo


『閑話休題。この舞台は白銀の少女が主役。

此度の脇役の話は、これくらいにしておきましょう』

 うっそうと茂る苔むした富士の樹海の中には、溶岩の名残である岩石が無数に露出している。
 曇り空も相まって、屋根状に木々が覆う樹海は普段より薄暗く、絶望した人々を招き入れるように風邪で靡く。

「あ?……何か言ったか?」

 そんな生命さえ感じさせぬ深緑の中に立つ一人の男。
 季節外れのコートの下には、動きやすさを重視した軍用と思われる衣服を身に纏っている。
 その服の上からでも明らかにわかる鍛え上げられた肉体を持つこの男は、かつてロシアの特殊能力者の部隊を率いていた『隊長』と呼ばれた者であった。

 そしてその耳には、スマートフォンが当てられており、誰かと会話していることがわかる。

「なんでもない?……まぁいいか。

とにかくこれで『保険』も含めた準備は整ったてわけだ。

この件には熾天使も一人絡めたし、『プロダクション』の方は勝手に事が進んだんだろう?」

 本来『プロダクション』における出来事は隊長は知らないのだが、どうやら電話口の向こうの者はそのことについて知っている様子である。

「ならいいさ。これだけお膳立てすれば世界が滅ぶってことはなさそうだ。

……ふん、別に俺が勝手にしていることだ。お前の力なんぞ借りずとも俺はやれた」

 どうやら比較的親しい間の様で、隊長に軽口さえも吐けるようである。
 そして今回の件に、裏で大きくかかわっていたようだ。
 故に、『プロダクション』の出来事も知っているし、隊長が『エトランゼ』を知り得たことにもつながるのだろう。



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