モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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371: ◆zvY2y1UzWw[sage saga]
2016/11/29(火) 00:19:28.83 ID:Jh+eG2pi0
昼子「む?」

翼を広げ、宙を舞おうとしたまさにその時、彼女も地下から響く重低音を聞き取った。

昼子「感じたか?地の底から響く呻きを…」

蘭子「えっと、何か響いて来たのは感じたかも?」

昼子「それだけではない。その方角の魔力の流れが微かに歪んだのを感じた…禍々しい気配のモノが起こした現象かまでは判別できないが…事件の予感がするであろう?」

そこまで言うと昼子は蘭子の手を取る。

昼子「邪気の根源を空から探してやろうかと思ったが…騒ぎになっていないということは地下に潜んでいるに違いない。我が半身よ、行くぞ」

蘭子「大丈夫なの?もしかしたらユズさんの言ってた大罪の悪魔の罠かも…」

昼子「フフ…違うな。腐っても大罪の悪魔、わざわざ連日の事件で警戒度が上がっているこの場で、地響きを響かせてまで『罠』を用意するとは到底思えん」

その調子で手を引きながらズンズンと人混みをかき分け、人混みから離れた地下通路の入り口まで歩いて行けば、本来ならば無いはずの禍々しい扉がそこにはあった。

蘭子「あれ?通路の入口は閉める時はシャッターが降りるはず…扉なんてなかったような?」

昼子「ふむ…『地脈よ、その巡りを我が前に示せ』」

昼子が魔法の呪文を唱えると、地中に宿るエネルギーである地脈の流れを可視化した、無数の光の筋が足元から四方八方に伸びていく。

しかし、よく見れば扉の方へ伸びた光の筋は扉に触れる直前に掻き消えてしまっていた。

それを見た昼子は満足そうに魔法を解除する。

昼子「これこそが、地下に起きた異変の一端。この先は地下であるのに地脈すら断絶している…何らかの方法で空間ごと隔離されているようだな」

蘭子「それって、入ったら帰ってこれないって事なんじゃ…」

昼子「そうだな」

蘭子「…いくの?」

昼子「当然。ここの所、我は学園祭の準備やらで力を発揮できずにいた…まぁ、人間が巻き込まれた事件を解決しに行くのも悪くはないであろう?」

蘭子「巻き込まれたって…お、大げさだよ…」

昼子「何も知らないままこの扉を通った一般人が一人も居ないと言えるのか?」

蘭子「う、それは…」

昼子は連日の事件の際、他の生徒と同じように教室で待機していた事で鬱憤が溜まっていた。

そんな中、自由に行動できる日に目の前に『倒しても良い敵』の根城があるのだ。居ても立ってもいられない。


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