モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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372: ◆zvY2y1UzWw[sage saga]
2016/11/29(火) 00:21:49.81 ID:Jh+eG2pi0
昼子「正直に、行きたくないと言えばいいではないか」

蘭子「だ、だって…怖いし…」

昼子「…我らと過ごしておいて言う事か?死神と魔王の娘だぞ?……まぁ魔族の中でも人間に外見が似ている方ではあるが…」

蘭子「それに…扉からして、怪物が潜んでそうというか…」

昼子「いや、これは魔法ではないと思うぞ。恐らく潜んでいるのは魔族や怪物ではなく人間、怪人の類だろうな」

蘭子「それでも…どうしても私も行かなきゃいけないのぉ…?」

昼子「……我は半身が居なければ攻撃魔法が使えない身……二人で居なくては我らは満足に戦う事もできぬ…」

蘭子「だから…む、無理に行かなくても…!」

意地でも迷宮に突入するつもりの昼子を、蘭子は止めることができない。

本当の姉妹のように仲良く暮らし、同じ部屋で寝て同じ時を過ごした半身の様な存在が、ここまで自分の意見を聞かないとは思わなかったのだ。

…と言うよりは、すっかり彼女が正真正銘の悪魔だという事が頭から抜け落ちていた。と言うべきだろうか。

昼子「…唐突だが、主従の契りを結んでいた事を忘れてはいないか?」

蘭子「ふえっ!?」

昼子「普段は同等の立場でいるものの…契約上、我は汝を自由にすることができる…わかるな?これが魔王の娘と契約した事による代償だ…」

蘭子「え、ええ…そんな…」

その天使のような可愛らしい微笑みは、蘭子からしてみれば正に悪魔のそれであった。

昼子「我が半身に命令するのは心苦しいが…行こうではないか、地の底へ!」

蘭子「い、いやあああ!!」

二人を繋ぐ固い主従の契約によって、二人は離れること無く扉の中へ入っていく。

扉は重く閉ざされ、迷宮は新たな客人の訪れを喜んだ。

魔王の娘とその従者。二人は果たしてこの迷宮から脱出できるのだろうか…。


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