モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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34: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/05/07(土) 19:32:12.36 ID:glNSs2qCo

「だから、今度会ったら、ちゃんと聞かなきゃ……。

アーニャのことを、どうしてあんなことをしたのかを、聞かなくちゃ。

それがウチの、役割だから」

 あの時、美玲はアーニャに誰だと問うた。
 しかし、振り返って考えてみれば、あれもまぎれもなくアーニャであったのだ。

 昨日まで見ていたアーニャと、先ほどのアーニャは違うアーニャであるけど、同じであることを美玲は何となく理解していたのだ。
 そうして心が分かれてしまった理由はわからないけど、それでも物事には原因がある。
 それを聞き出すことは、美玲自身の仕事だと考える。

 ただのお飾りのカウンセリングなど意味がないのだ。
 ただ庇護されるだけの存在でいたくないという思いは、言葉としてここに吐露される。

「もう間に合わないかもしれないけど、それでも叶うなら、アーニャを連れ帰ってきてほしいんだ。

ウチも、頑張らなくちゃ、ならないから」

「……美玲はん」

 美玲には後悔することしかできない。
 たとえ他力本願だとしても、美玲は無力だと自覚しているからこそ周子に頼むのだ。
 その思いは、紗枝にとっては周子の力になれなかったことと重なり、とても理解できるものであった。
 だがその思いがわかるからこそ、複雑であった。



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