モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:32:03.51 ID:nZ3oq+wSo
異形化した泥は奈緒の雄たけびさえも正しく反響させず獣のようになって伝わっていく。
新たに増やした腕は、今も休むことなく動き続け依然迫りくる蛇頭を一切余すことなく切り伏せていた。
『そうだ、あたしがみんなに救われた』
奈緒をあの絶望の底から手を差し伸べて、救ってくれたのは彼女たちだ。
今があるのは彼女たちのおかげであり、それによって幸せとも言ってもいい平穏を過ごせている。
――だから、奈緒だけで、幸せになんてさせない。
いつかどこか誰かに耳元でささやかれたその言葉。
奈緒は全神経を張り巡らせ、一寸の予断も許さない攻防の中で、一つの思想を巡らせる。
『確かにそうだ。あたしだけが幸せになっていいわけがない。
不幸だったんだから、それまでのツケでこれからは幸せ一辺倒なんて、虫のいい話だよな。
だからあたしは思うんだ。みんながいる。平和の中に誰かがいる。あたしは幸せだよ。何物にも代えがたい仲間と、尊敬できる人、いろんなものに恵まれてるから。
あたしは幸せでいっぱいだ。だったら、みんな誰もが幸せじゃなきゃ不都合だろ』
奈緒はまともな感性を持った少女だ。誰かと比較して自分の優位を悦に浸るような性格でもないし、誰かの不幸を見てあざけるような性悪でもない。
ならば自然、ほかの誰かも幸せなほうがいいし、自分の幸せが共有できるのならそうするべきだと考える。
誰かを守るのだって、その誰かの安寧と幸福を守る行為だ。いくら自分の力が醜くても、結果としてそれができるのならば奈緒はそのために尽力する少女だ。
『だから……みんな幸せになれるなら、そうあるべきなんだ』
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