モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:30:17.39 ID:nZ3oq+wSo
だがその前に二人を襲ったのは全身に走る悪寒だ。
背筋に氷柱を入れられたかのように走る感覚は、危機感による警鐘である。
それは周囲から大量の視線が自分一人に向けられているような、群れを成した獣の群れの標的にさせられているかのような全身を貫く視線。
そしてそれは紛れもなく現実であり、ウルティマから伸びる黒い影は間違いなくこちらを見ていたのだ。
奈緒の方を、夏樹の方を、そしてきらりの方を。
『何処ヘ……イクノ? アタシヲ、マタヒトリニスルノ?』
黒い泥から覗く数多の眼に夏樹の判断は一瞬遅れてしまった。
『しまっ――』
気が付いた時にはもう遅い。状況を俯瞰していた天井近くの夏樹のアイユニットを取り囲むように迫りくる髪から伸びたいくつもの蛇頭。
その顎はアイユニットを粉々に破壊するために牙をむき出しにして迫りくる。
『くそっ!』
蛇頭に囲まれたアイユニットによる苦し紛れに放ったレーザーは、回転しながら取り囲む蛇頭の胴を焼き切った。
だがすべてを切り裂く前に、届いた一本の牙がアイユニットに掠りその飛行機能に損傷を与える。
『これ、は――』
そして落ち行くアイユニットが最後に移した光景は、混じりけのない黒色だった。
いつの間にはロビーの天井に存在していた黒い影から現れたのは同じように漆黒の一匹の獣。
獣がその大顎を開いて落ち行くアイユニットを追いかけるように丸呑みした。そしてその視界が最後に移したのは光さえ届かない深い闇。
だがその中身は一色の黒ではなく、ひどくその色は寒々しい。
わずかな視界の中で夏樹が感じたそれは、『あの』少女の孤独と、耐え難い飢えの一端だった。
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