モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:20:36.57 ID:nZ3oq+wSo
怯えているように見えるが、結局のところ外敵であるAPに怯えているのでなく、『外』そのものに怯えているのだろう。
なるほどこれは究極の引きこもりだ。自分を甘やかすためだけに作られた、永世不滅の城。
「……とっとと、片づけましょう」
APにとってもその少女のあり方は歪で、そしてその意気地のなさに脳が苛立つ。
だがこの場において個人の感情など不要。滅私奉公の精神でただ自らの主の元へと向かうだけだ。
そこまでの通過点であることをAPは自らで再確認する。
「……いざ」
フロート移動とエクスマキナの脚力によって、甲冑との距離を詰めんとAPは駆け出す。
それに相対するように甲冑も、その騎士然たる姿を崩さず、身の丈近い鉄塊の剣を構えた。
『その意気や良し。このユーウェイン。正道の勝負ならば騎士道に則り剣を振ろう。
しかし、そもそも姫を守る身であるこのわたくし。その信条に基づき姫に仇名す貴女に手加減なぞ出来ぬことを知れ!』
「……うっとおしい!この……時代錯誤の童話の騎士が……っ!」
鉤爪と剣が相対し、幾重にも重ねられた金属音が鳴り響く。
これより始まるのは一見すれば忠の戦い。自らの主へ赴くための彼女か、自らの姫を守らんとする虚像かだ。
そして少し離れた場所。蚊帳の外で少女は相も変わらず怯えている。
「だ、だれか……たしゅけてぇ……」
助けを呼ぶその瞳は何も映していない。その言葉はただ助けを求めるか弱い自信を演出する自愛の救援。
そこに意味はなく、少女は自ら築いた強固な砦の塔の中で、一人外界を忌避し、自分だけを愛しながら心を自傷し続ける。
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