モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:19:53.42 ID:nZ3oq+wSo
「……だが、こんな、ことに」
――こんなことにかまけている暇などない
APにとってここは通過点だ。一刻も早く自らの主の元に戻ることこそ命題である。
ならばそこにあるのはただの堅い壁だ。
「……いつも通り、押し通るまで」
この甲冑は、くるみにとっての深層心理が生み出した『理想の守護騎士』なのだろう。
自らを危険から遠ざけてくれる私だけの近衛と。
ならばそれを砕けなければ、あの心の壁そのものである結界など粉砕できる道理などない。
『覚悟は決まったようですな。……姫、お下がりください。
狂犬の相手はわたくしめにお任せを。姫は変わらず、安全な場所に居てくだされ』
APは甲冑のその言い回しに脳がざわつく。
結局のところ、ゴーストは自分の力であり他人ではない。
あのゴーストはくるみの意思に関係なく自動で動いているようだが、そもそもが少女自身が望んで作り出した中身のない人形である。
そんなゴーストが守ってくれると、安全なところに居ろとほざくのだ。
それは自作自演の自愛でしかなく、ひどく歪で内向的だ。
自己完結し、他を見ようとしない少女。
「ふぇ、ふええ……」
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