モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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288: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:06:03.03 ID:nZ3oq+wSo

 LPの体は反射的に動いていた。
 夏樹の視界は浮遊するアイユニットによって制御されており、常に俯瞰的な視界が可能である。
 だから今の状況は、なるべく戦況を多角的に見るためにユニットを散開させていたのだ。
 故に主観的な視界は弱く、自身に対する攻撃への反応は遅れてしまう欠点があった。

 当然夏樹は、いまだ上がる粉塵の中からこちらに延びてきた凶悪な黒い爪への対応に遅れることになった。

「……くぅ!」

「……な!?」

 そもそも甘いのだ。各地でヒーローたちの足止めをしているカースと違って、あくまでここは本丸である。
 ならばこそ、足止めが目的だとしても生半可な戦力はおくはずがなかったのだ。

「LPさん!」

 間一髪夏樹をかばうように押し出したLPの背中を、黒い爪は掠めていく。
 その一撃は致命傷ではないが、背中の肉を浅く抉りあふれ出した鮮血は飛沫を上げる。

「――くそ!」

 夏樹はアイユニットで整列させ、迫り来た黒い腕を狙い撃つ。
 発射されたビームは的確にその黒い細腕を貫いた。そしてこのまま先ほどのように輪切りにして無力化しようとする。

 だが黒い腕は貫かれた瞬間、これまでと違う挙動をする。
 夏樹があけた穴ではない白い穴が大量に穿たれる。否、それは白い穴ではなかった。

「なんだこれ!?……目?」



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