モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/08/03(水) 22:46:01.85 ID:vTRpaymho
「その……エイちゃんってよく戦うーとか戦場がーとか言ってるけどさー。
なんでそんな物騒なこと好きなの?ゆい的にはそんなことより遊んだり、カラオケしてる方が数百倍たのしー気がするけど。
そりゃあ、別にみんな好きなことは違うのは解るけど、いまいちエイちゃんのはわかんないっていうのかさー……。
うーん、かといって殺人が好きではないみたいだし、よくわかんないんだよね。エイちゃんの行動とか目的がさ。
なんでエイちゃんは戦いを、求めるの?」
彼が狂人として殺人に愉悦を感じるのではなく、闘争を求めるのならばそこには理由があるはずだ。
唯は決して頭の冴える方ではないが、故にエイビスのあり方について疑問に思ったのだ。
戦いを求め、強者を求める。物語としてはありきたりな闘争者のあり方は、現実においてはひどく矛盾するということに。
「なんでって……そりゃ強え奴と……いや……」
エイビスも虚飾で誤魔化そうと口を開いたが、そこで言いよどみ、横目で唯を睨む。
その目が安易に触れるなと言わんばかりの眼光であったが、唯の方も目を合わせることなく窓の外の景色を見ている。
「そもそも……オレたちは同じ船の同乗者であって、元々は敵同士だったはずだぜ。
それを言う義理は……」
トラックの隣を一台の車が過ぎ去っていく。
これまで一台逃さず踏み潰してきたのに、気が付けば壊すことを忘れていた。
アクセルを踏む足は無意識に緩み、メーターはすでに100キロ周辺に落ち込んでおり、暴走というにはいささか静かすぎる速度であった。
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