モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
1- 20
204: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/08/03(水) 22:38:57.63 ID:vTRpaymho

 『あの日』から数年の歳月が経ち、世界は大幅な変革を迎えた。
 既存の常識は覆り、未曾有の混乱は人々を恐慌へと掻き立てるほどの出来事だったはず。
 だが、世界は妙なバランスを保ったまま、安定を維持している。

 結局この世界はそれなり影響こそあったものの、人々の何かは大きく変わることはなく、その不均衡を維持したまま続いているのだ。

「世界の歪みは大きくとも、それによって引き起こされた事象は些細なものだ。

だが逆に我々はどうだ?

神秘を秘匿し、魔術を独占した我々は、それらがさらけ出されたことによって世界における優位を失った。

かつて我々のような組織や宗教などいくらでもあったが、『あの日』によってほとんどが駆逐された」

 『あの日』は日常に影響を与えることはなかった。
 だが逆に非日常、空想や幻想といった類には比類なき猛威を振るったのだ。

 神が観測できたことにより、宗教の信仰は形骸化した。
 魔術が露呈したことによって、化学は不可侵の領域にまで普遍化の進行を進めた。
 人々の想像上の産物が存在を明らかにしたためにしたために、非日常は日常に汚染された。

 知らなかったことだからこその『未知』なのだ。
 知られてしまった以上、それは『既知』であり、普通へと格下げされる。

 結果としてイルミナティをはじめとする秘密結社や宗教団体、神秘を独占していた者たちは大損害を受けた。
 もはや『秘密』など人を引き付ける道具にすらならない。目に見えない『信仰』など薬にもならない。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
558Res/632.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice